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びんリユース推進全国協議会 第5回総会 開催

開催日時 2015年6月4日(木)16:00〜17:00
開催場所 日本ガラス工業センター会議室
(東京都新宿区百人町3-21-16)

第5回総会 会場
第5回総会 会場

 びんリユース推進全国協議会は6月4日(木)、第5回総会を開催しました。
 開会のご挨拶は安井代表。
「びんリユース推進全国協議会が設立され3年半以上経過いたします。大きな変化として感じるのは、びんリユースのネットワークが濃く、より深いものになったということです。
 様々な地域での活動の情報や人脈が全国協議会に集約されてきていることが、地域でのリユースびんに対する取り組みの推進、ひいては活動の活性化に作用したのだと思います。びんリユースの利点を十分に発揮できる社会を作っていきたいと願っております。これまでの皆様のご協力に深く感謝を申し上げ、開会の挨拶といたします。」


 今回の総会では、2014年度活動報告(案)・収支報告(案)、2015年度活動計画(案)・予算(案)、そして第三期幹事団体および役員選任についての審議が行われ、承認されました。


2014年度の活動報告では、以下の6つの課題についての報告が行われました。
(1)びんリユース事業への協力・支援の取り組み
(2)「リユースびん規格統一」に向けた継続検討
(3)学校教育における「環境教育」の取り組み
(4)全国協議会運営の充実と他の機関との連携
(5)びんリユース「優良事業者表彰制度」の検討
(6)全国協議会の「法人化」検討
 全国各地域の取り組み推進に着手し、東北をはじめとした全国計8ヶ所においてびんリユース推進地域の構築を達成しました。次年度以降の課題としては北海道や中四国、九州などの地域への拡大が挙げられます。
 また、今後のびんリユースを進める方向性の確認、メーカーや全国の自治体の連携などによる環境に配慮した町づくり・コミュニティーづくりに連携するというびんリユースのスタンスを鮮明することが求められているとしました。


2015年度の活動計画として、以下の5つのテーマが挙げられました。
(1)びんリユース取り組み支援
  @びんリユース将来ビジョンの検討
  A各地域のびんリユース推進支援・協力
  B学校牛乳へのびん容器導入支援
(2)「リユースびん規格統一」に向けた継続検討
(3)学校教育における「環境教育」の取り組み
(4)全国協議会運営の充実と他の機関との連携
 各地で進められているびんリユースの取り組みへの支援及び新規の構築や将来に向けた取り組みの共有、関係主体との連携をより一層すすめ、5年目を迎える今年、一定の成果を目指すことが全国協議会の使命として求められているとしました。
 また、「我が国におけるびんリユースシステムの在り方に関する検討会」のとりまとめを見直すことで今後の推進方策についての再検討を環境省へ強く要請していく必要があるとしています。


最後に来賓の3省の方々がご挨拶され、今後もびんリユースに取り組まれる意向をしめされました。


○ 水信 崇 氏
  (環境省大臣官房廃棄物リサイクル対策部企画課リサイクル推進室)

環境省 水信 崇氏
環境省
水信 崇 氏

「これまで進めてきた活動の中で、新しい課題がでてきたと思います。それらをいかに直視して、びんリユースの発展につなげていくかが非常に大事です。
 来年度は、関係業界においてびんの規格の統一化の動きがあることを前提に、びんリユースのCO2の削減効果と併せて洗壜施設を『省 CO2 型リサイクル高度化設備導入促進事業』の対象として要望していきたいと考えています。
 また、びんの回収量を増やす施策のひとつとして、リユースびんの規格の統一化、リユースびんに関する情報発信の強化の在り方について『我が国におけるびんリユースシステムの在り方に関する検討会』の下部にWGを立ち上げる形で、議論させていただきたいと考えています。びんリユースの情報発信についても、びんリユースが環境負荷の低減につながるという情報を適切に消費者に伝えること、また、生きびん回収の社会的な意義を市町村担当者の方々に適切に情報共有していくことが重要です。皆様今後ともご協力をお願いいたします。」


○ 井出 大士 氏
  (経済産業省産業技術環境局リサイクル推進課)

経済産業省 井出 大士氏
経済産業省
井出 大士 氏

「びんのリユースは行政のごみ回収に依らない形での事業者独自の活動ということで、かかわる主体が協力して取り組まなければなりません。その中で、びんリユースの仕組みを構築しようという協議会の活動は非常に重要だと思います。引き続き促進していただきたいと思います。
 先月、『包装の環境配慮に関するJIS』が新たに制定され、その中でリユースも規格として制定されました。このような規格を利用して、リユースびんを使うことが環境配慮になるということを訴えていき、リユースしない商品との差別化を図っていくことも重要だと思います。ぜひそういった普及啓発の活動にも目を向けていただければと思います。」


○ 鴨川 公一 氏
  (農林水産省食料産業局バイオマス循環資源課
     食品産業環境対策室容器包装リサイクル班)

農林水産省 鴨川 公一氏
農林水産省
鴨川 公一 氏

「ガラスびんは、3Rの中でリユースの最も代表的なものであり、容器包装リサイクル法第18条に基づく自主回収認定では牛乳・清涼飲料を中心とした農水所管は約8割を占めています。ガラスびんを利用・製造する事業者自ら軽量化やリユースびんの活動に取り組んでおり、昨年度実施した『環境配慮設計に係る委託事業』においては、多くの事例をいただいております。
 また、昨年10月、農林水産省では『食品容器包装のリサイクルに関する懇談会』においてとりまとめを行った環境に配慮した食品容器包装について、各関係主体が共同するコンソーシアムの設立に向けて食品産業センターの環境配慮設計ワーキングの議論にオブザーバーとして参加しています。
 皆様におかれましては引き続きガラスびんのリユース、環境配慮設計の推進に向けてご尽力いただきますようお願い申し上げます。」


総会を終え、安井代表にコメントをいただきました。


代表 安井 至氏
代表 安井 至 氏

「全国のびんリユースネットワークはメンバーも増え、明らかに深化しています。一方で、より明確に問題が我々の真正面にぶら下がっている状況でもあります。
 現代は、経済合理性というキーワードで産業が動いていますが、経済合理性とリユースはおそらく若干、相反事象にあります。その部分を新たな価値として見出すことができるかどうかに問題の解決がかかっていると思います。要するにこれはノンマネタリーなバリューなんです。例えば、何でもかんでも経済合理性を100%追求していけばいいのかというと、人間社会はたぶんそうじゃないと私は思っています。金銭的な価値は低くてもそういうものがうまく実現できるような、例えば地域の活性化とか地域飲料とか、上手くまわって地域に愛されるような、最初のゆりかごの段階をびんリユースで支援できると面白いと思います。
 ネットワークを地域に細かく広げていく上で、WEB会議などを利用して様々な人とやりとりして、必要に応じて現場に行って議論をするというような機動性を身につけなければいけないという気はしています。
 まずはネットワークを拡げることが第一要件ですが、一定程度は達成できたと思います。あとは、日本酒やワイン、地ビール、地場飲料、学乳びんなどのターゲットにどうアプローチしていくかです。」