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活動報告

第2回 福岡地域におけるリユースびん推進会議 開催

開催概要

日 時 2012年2月16日(木) 14:30〜16:30
場 所 福岡合同庁舎 本館5階共用第5会議室
(福岡県福岡市博多区博多駅東2-11-1)
主 催 Rびん推進九州プロジェクト

推進会議 会場
推進会議 会場

 Rびん推進九州プロジェクトは、2月16日(木)、第2回福岡地域におけるリユースびん推進会議を開催しました。今回の議題は、前回の会議より3ヶ月経った現在、実証事業としての進捗状況の報告と、今後の課題についての意見交換です。
 同プロジェクトでは、酒造メーカー、酒販店、料飲店、自治体などの実態調査と意見交換を行いました。各主体とも、びんリユースシステムに一定の理解を示しているものの、現実的な運用面について、それぞれ困難な部分があるとのこと。なかなか問題は深そうです。


900ml Rびんを取り巻く現状

Rびん推進九州プロジェクトメンバー
Rびん推進九州プロジェクトメンバー

<料飲店、酒販店、メーカーへのヒアリング>

料飲店

びんの処理については困っていない。業務用酒販店が引取処理をしている。
逆に、リユースするならば、スペースが無いので毎日取りに来てほしい。

酒販店(卸店)

リユースびんを取り扱うためには、ストックするスペースが必要。 回収した空びんを分ける手間がかかり、P箱が溜まってしまっている。P箱だけの回収は、びん商としても難しい。

大手焼酎メーカー

一升びんの空びんはリユースしているが、900mlは、卸経由で回収されたのちカレット処理されている。
“900mlをRびんにすると、重量が増え、輸送コストがかかるため環境負荷が高まる” として、なかなかリユースに踏み切ることができない。 しかし、びんリユース自体は重視しているとのこと。今後どのように検討していくのか、意見交換をしていく必要がある。

びん商

びんの取扱だけの専業で事業が成り立っているところは少ない。酒販店が激減し、一升びんの流通量も少なくなっている。従来は取り扱っていなかった業務用にも拡大しないと、洗びん工場の稼働が成り立たなくなってきている。小売→卸→メーカーというリンクシステムが無くなりつつあるので、なんとか死守したい。


容器包装リサイクル法における“びんリユース”

容リ法によるリユースの位置づけについて、意見や要望がありました。

  • 900ml Rびんでも自主回収認定をうけてはどうか。
  • 新びんと洗びんでは、大きさによってコストが変わる。中容量びんが損益分岐点となるだろう。洗びんの方が安いという点をしっかり打ち出すことができれば、可能性はありと思う。
  • ワンウェイは環境税がかかるなど、法律の中でリユースすることがメリットになるようにしてはどうか、ということも考えられるが、法律で縛りを作ってしまうのが本当に正しい方法なのか、判断しかねる。
  • リユースの優先順位が高いのは確かなのだが、現在はリサイクルに偏っている。税金がリサイクルに使用されているのは納得がいかない。
  • 処理費用を重量で換算すると、PETボトルや紙パックに比べて、びんが重たいのは明らかで、スタートラインが一緒でない。消費者にはそこを理解してもらいたい。
  • ワンウェイ容器の方が、表面的な価格は安いが、処理コストなどの社会的負担がかかっていることが忘れられている。

Rびん利用促進のためのアイデア、方策について

  • びん利用の歴史や、経絡図を見ると、それぞれの主体が複雑に絡んでいて、同時並行のいろいろな線があるのに、それが見えない。だから、より物語があるものにして、関係する方々の立ち位置を出すと魅力が出るのではないかと思う。
    金銭面ではなく、びんの物語をどうPRしていくか。そこに九州らしさをだすと、この事業の魅力をもっと出せると思う。
  • 2R(Reuse, Recycle)の法律的な位置づけがしっかりとすれば、ワンウェイびんとリユースびんの差異が明確になると思う。
  • 委託費を支払うことで責任を果たしたという企業と、かなりの努力をしながらリユースを進めている企業が同じ状況で商品を販売するのは不公平。リユースを進めている方にメリットがるような仕組みにしていくべき。
  • メーカーごとに対応が異なるので、時間がかかると思うが、1つずつ解決していかないといけないだろう。

さまざまな意見を受け、主催者サイドからは、「今回の取り組みを通して、いろいろな主体の実態がきちんとわかりました」と、Rびん推進九州プロジェクトの田中氏。まだまだ問題も多く、否定的な意見がある中、今回を大きな起点としてこれからも取り組みを継続していきたいとのことです。そのためには、情報を共有・連携していく方法を考え、“再び福岡で”と、リターナブルシステム継続への意欲を見せていました。

会議を終えて

宮北氏
宮北氏

第2回目の会議を終え、宮北氏(熊本学園大学 社会福祉学部教授)は以下のようにコメントされました。

「まずはいろんな主体が関わっていくなかで、一緒に問題を解決する方向へ進むことが大事です。そして、法律やインセンティブ、消費者教育など、いろんな手法を組み合わせること。そのうえで消費者がRびんを選べる、きちんとした仕組みを提示することです。将来的にもプラスになるんだということを、きちんと教えるべきです。
 また、リターナブルは、飲んだ後に回収するシステムがあることが重要な点です。せっかくRびんを選んだ人が困らないシステムにするために、いろんなことの組み合わせの中で一歩一歩前に進むことが大切ですね。」

決め手を一つに絞り込むのではなく、複合的に進めることが、着実な歩みにつながるとのご意見でした。


飲料店への協力依頼

会議終了後には、合同庁舎近くの料飲店へ伺い、“Rびん応援店”ちょうちんの配布と、リターナブルびんへのご協力をお願いしました。当日訪問した料飲店様には、快くお引き受けいただけました。