活動報告
第1回 福岡地域におけるリユースびん推進会議 開催
開催概要
日 時 | 2011年11月28日(月) 13:30〜16:00 |
場 所 | 福岡合同庁舎 本館1階共用第一会議室 (福岡県福岡市博多区博多駅東2-11-1) |
主 催 | Rびん推進九州プロジェクト |
推進会議 会場
Rびん推進九州プロジェクト主催による、「第一回 福岡地域におけるリユースびん推進会議」が行われました。この会議は、平成23年度びんリユースシステム構築に向けた実証事業のひとつ、<九州圏におけるびんのリユースシステム構築事業>の運営会議です。
大学教授や、酒類卸・小売業者、地元消費者団体、生協、行政など、地元のリユースシステムに関係するさまざまな方がメンバーとして迎えられ、九州のリユースびんの現状と、今後の方針について話し合いが行われました。 九州エリアは他の地域と異なり、本格焼酎(そば、麦、芋、米)を製造する伝統的なメーカーが多くあるため、リユースびんの使用量も多く、循環システムが作りやすい土壌です。そこで、九州の中でも一大消費地である福岡市を中心として、びんリユースの仕組みを、大手メーカーも、行政も、びん商も、そしてエンドユーザーである消費者も巻き込んで大きくしていこう、という今回のプロジェクト。九州地域内でのリユースシステムの確立を目指し、かつ、それが全国各地へ波紋となって広がっていくことに期待を寄せています。
びんリユースについて、それぞれの立場から
Rびん推進九州プロジェクト(主催者)
主催者となるRびん推進九州プロジェクトからは、リユースびんへの想いと、本プロジェクトに対する期待が表されていました。
Rびん推進九州プロジェクトメンバー
(株)田中商店 田中氏 〈びん商〉
「容リ法の制定以来、時代はリサイクルに傾倒し、使い捨て容器が増えてしまいました。我々の仕事は静脈産業です。静脈がなくなると、体の仕組みは崩壊していきますから、ここで踏ん張って、このプロジェクトをぜひ成功させていきたいと思います。」
(有)池田空壜 池田氏 〈びん商〉
「現在は容器が多様化して、時代の流れで使い捨てや利便性をとり、リサイクルにまわされている。そういった中で、我々のリユースの意識をどうやって消費者へ伝えていくのか。ここが大事なところだと思います。」
(有)筒井商店 林田氏 〈びん商〉
「今はほとんど缶とPETボトルで、びん商の取扱いは、一升びんとビールびんだけです。今後、それ以外のびんについてもリユースが回っていくような仕組みになればと期待しています。」
小売、酒造メーカー
リユースびん入り商品を取り扱う、小売、酒造メーカーの立場からは、現状を踏まえた今回のプロジェクトへの提案がありました。
大口酒造(株) 向原 氏
(株)ダンガミ 三好氏 〈小売・卸業〉
「どこが主体となって取り組みを進めるのか。メーカーなのか、卸なのか、料飲店なのか。それをまず決めることが大事かと思います。」
大口酒造(株) 向原氏 〈酒造メーカー〉
「びんに対して国からの補助が無いことも、リユースびんが回らない理由の一つではないでしょうか。たとえばPETボトルなどの使い捨て容器に環境税のような負担をかけて、びんが評価されやすい方に進んでいくというのも一つの方法かと思います。」
消費者・地元団体
地元団体の立場からは、ユーザー(消費者)視点に立った意見と提案がありました。
九州パートナーシップオフィス事務局 澤氏
「いち消費者として考えると、お酒を飲むのは『おいしいから』飲むのであって、Rびんだから飲むわけではないです。そういう『お得』な部分に、Rびんという『オタク』な部分がくっついているのが現状。ですから、そういう中身のお得な部分を前に出して、それがRびんでしか飲めないというプレミアム感を出すような、ある種の囲い込みが必要ではないでしょうか。そうすれば、以降の展開も見えやすいと思います。」
行政
行政側からは、みなさまの意見を踏まえて、リユースシステムの具体的な実現へ向けての意見がありました。
経済産業省 九州経済産業局 村上氏
「澤さんのおっしゃる通り、物が売れるというところにびんがついてまわると思います。昔の時代の話をしている状況ではなく、新しい時代、新しいニーズの中で、新しい流れを作っていくことが重要だと思います。そういう意味で、さまざまな立場・視点からの意見が得られるこういった会議は非常に有意義と思います。ユーザーの意見を取り込み、環境とセットで、付加価値を高めていく。その中でWIN-WINになる仕組みを作っていけると良いと思います。」
会議を終えて
第1回目の会議を終え、田中氏((株)田中商店 専務)は以下のようにコメント。
(株)田中商店 田中氏
「このRびん推進九州プロジェクトは、九州の中でのパートナーシップができてお互いが忌憚のない意見を出し合って進める、ある意味で地域づくりのひとつとして存在しているのかな、と思います。びん商として利益を上げたいという部分と、地産地消も含めた地域づくりということに、大事な視点を置いています。そこにびん商としてできることがあれば、社会的な貢献でもありますし、そういった視点での考え方は、初めての試みなので、そういう意味では福岡地域でチャレンジできるということが、すごく楽しく思っています。 また、色々と話を聞くと、『なぜこんな人が、応援してくれるの?』といった方もいらっしゃいます。同じ想いを持っている人がこんなにいるんだなということがすごく励みになりますね。」
今回のプロジェクトへの意気込みと、リユースを通じた地域づくりへの、地元愛が感じられました。