活動報告
リユース普及イベント「みんなリユースしてるってよ!」
〜横浜リユースびんプロジェクトKICK OFF!〜
開催概要
日 時 | 2017年2月12日(日) 11:00〜15:35 |
場 所 | クイーンズスクエア横浜 1階イベントスペース「クイーンズサークル」 (神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3) |
主 催 | 環境省 |
協 力 |
一般社団法人 日本リユース機構 / 横浜市資源リサイクル事業協同組合 / 一般社団法人 情報機器リユース・リサイクル協会 / 株式会社 アンカーネットワークサービス / 株式会社 メディエイター |
みなとみらい駅直結の複合商業施設「クイーンズスクエア横浜」において、環境省の主催するリユース普及イベント「みんなリユースしてるってよ!」が開催されました。
当日は「横浜リユースびんプロジェクト」のキックオフとして、新リユースびんのお披露目と試飲会、横浜出身のタレント「はな」さんをゲストに迎えてのトークショーのほか、3Rをテーマにしたお笑いライブやアイドルのライブステージが行われました。会場はオープンスペースとなっており、多くの人が足を止めてイベントを楽しむ様子が見られました。
イベント内容紹介
リユースお笑いライブ
人力舎所属の若手お笑い芸人が、リユースをテーマにした漫才やコントを披露。「リデュース・リユース・リサイクル」の説明や「横浜リユースびんプロジェクト」の話題を巧みに取り入れたネタで、会場を盛り上げました。
3Rソングライブステージ
アイドルグループ「お掃除ユニット CREAR’S」が登場。環境省が3Rの普及を目的として2016年に制作した循環型社会推進応援ソング「巡り循った環の中に」のライブステージを行いました。
会場出展ブース紹介
会場では各協力団体・協力会社がブースを出し、リユースの取り組みについて来場者にPRを行いました。
横浜市資源リサイクル事業協同組合のブースでは、テーブルに並んだ10本のガラスびんの中からリユースびんとワンウェイびんの境界線を当てるクイズ「リユースびんの境界線はどこだ?」を実施。来場者は実際にびんを手にとりながら、クイズに挑戦していました。正解者には缶バッジのプレゼントも。
横浜リユースびんプロジェクトお披露目&トークショー
2月13日(月)より横浜市内で流通を開始する新たな「リユースびん」がお披露目され、関係者や地元ゆかりのゲストからは、プロジェクトへの意気込みと応援のコメントが寄せられました。
商品お披露目の紐を引くのは、左から
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課 リサイクル推進室 室長補佐 鈴木 弘幸氏
横浜市資源リサイクル事業協同組合 びん委員会 委員長 寺西 浩氏
参議院議員 佐々木 さやか氏( 神奈川県選出)
タレント はな さん (横浜市出身)
有限会社シーダブリュエス 代表取締役 堀越 敏晴氏 (新リユースびんデザイン)
株式会社横浜グリーンピース 代表取締役 椿 直樹氏 (商品製造・販売)
今回のプロジェクトで販売されるのは、新リユースびん入りの横浜ラガー(横浜ビール)とオリツルサイダー(坪井食品)の2商品。またこの日は、地元の企業などと共同で開発した、香りほうじ茶(川本屋茶舗)・ゆずサイダー(横浜グリーンピース)・小松菜ジュース(横浜グリーンピース)が試飲用として提供されました。
ゲストのはなさんは、横浜で育った無農薬のゆず果汁を使用したゆずサイダーを味見。
「美味しいですね、ゆずの香りがとっても爽やかで。しかもびんなので、口につけた瞬間のこのひんやり感が……私が小さいころは飲み物といえばびんに入っていたので、すごく懐かしい感じもして。とても美味しくいただけると思います」
トークショーでは、今回のプロジェクトの経緯や新リユースびんのコンセプトなどが紹介されました。
プロジェクト発足のきっかけとなったのは、1枚の「環境絵日記」でした。横浜市資源リサイクル事業協同組合では、市内の小学生に夏休みの自由課題として取り組んでもらう「環境絵日記」の募集を行っています。2014年に応募された小学5年生の児童の作品「地球に優しいRびん」は、「ひとつのびんに色んなものが入って循環すると環境に優しい」ことを伝えるものでした。このアイデアをオリジナルのびんで実現しよう!という思いのもと、新リユースびんの開発が始まったそうです。
新リユースびんの開発にあたり、さまざまな案の中から選ばれたのは、肩の上の部分に「リユースびん」の文字が大きく刻まれたデザイン。リユースびんとして重要なのは、「リユースびんであることが分かりやすいこと」、そして「びんを早く返そうと思ってもらえること」です。オシャレで格好いい、手元に置いておきたいと感じるようなデザインのびんでは、回収率が下がってしまう恐れがあるため、敢えて「ちょいダサ」のデザインを選択しました。
また、繰り返し使うことのできるタフなイメージを表現していることや、ジュースやビール、調味料など何を入れても違和感のない形であることも、大切なポイントです。
続いて、びんの「地域循環」と中身の「地産地消」というテーマが解説され、はなさんが横浜の野菜の旬を当てるクイズに挑戦。
今回のプロジェクトでは、びんの生産、中に入れる飲料の製造、商品の販売、空きびんの収集・洗びん・再利用を、すべて横浜市内の事業者で行います。運搬の距離や手間がかからないため、CO2の削減に繋がります。
また、まだ商品化はされていませんが、今回試飲で提供されたゆずサイダーや小松菜ジュースには、地元横浜で生産された野菜・果物が使われています。横浜の農業の特徴は、少量多品目の生産者が多いことと、農地と住宅地(生産者と消費者)が混在していること。地元で採れた旬の野菜・果物をジュースにして、リユースびんに詰め、地元で消費してもらうという取り組みは、横浜という地域に非常に合ったやり方なのです。
トークショーのあとは試飲会が行われ、来場者は実際に新リユースびんを手にとり、びんで飲む横浜の味を堪能しました。試飲の受付には長蛇の列。試飲スペースでは、びんや商品についての意見を交わしながら、アンケートを記入する姿も多く見られました。
試飲後のリユースびんは、その場で回収されP箱の中へ。アンケートの回答者には、びん入りの飲料を開栓・保存する際に便利な、シズラー(折りたたみ栓抜き)がプレゼントされました。
インタビュー:横浜リユースびんプロジェクトの今後の展望
横浜市資源リサイクル事業協同組合びん委員会長で、リユースびんの企画を立案された寺西理事に、横浜リユースびんプロジェクトの今後の展望について伺いました。
「現時点では、まだ今後の計画を立てるところまでは行っていません。とりあえず3月まで、今回のプロジェクトを頑張ってやってみようという段階です。
今回は横浜ビールさんと坪井食品さんが名乗りを上げてくださったので、横浜ラガーとオリツルサイダーについては、(期間)限定で販売するという形ですけれども、びんが返ってきたらまた流通させて、今後も継続的にやっていきたいと思っています。
それ以外のものについては、今回の検証をもとにまた検討していきます。ですから、この先びんを何本くらい作って回していくのか、採算はどのくらい取っていくのかというのは、まだまだこれからの話なんです。
今日みなさんに試飲していただいているものについては、ほうじ茶に関しては川本屋さんという老舗のお茶屋さん、小松菜ジュースとゆずサイダーに関しては横浜グリーンピースさんが協力してくださって、タイアップして色々やっていただいているので、その辺の連携は保っていきたいですね。今後の商品化を目指して、皆さんと検討していければと考えています」
さまざまな文化の発祥の地として知られる横浜。この地でリユースびんの文化を再び盛り上げて、横浜から全国へと広めていきたい――。そんな願いと期待の詰まったプロジェクトが、いま最初の一歩を踏み出します。