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活動報告

大阪府地球温暖化防止活動推進セミナー
「リユースでつなごう!おおさか」 開催

開催概要

日 時 2014年11月22日(土)13:30〜16:00
場 所 エルおおさか(大阪府立労働センター) 606号室
(大阪市中央区北浜東3-14)
主 催 大阪府地球温暖化防止活動推進員 3R推進チーム
大阪府地球温暖化防止活動推進センター

会場風景
会場風景

 大阪府地球温暖化防止活動推進員 3R推進チームと大阪府地球温暖化防止活動推進センターが主催する、大阪府地球温暖化防止活動推進セミナー「リユースでつなごう!おおさか」が開催されました。
 限りある地球の資源を大切に使っていこうとする3つの行動「3R(Reduce(リデューズ)・Reuse(リユース)・Recycle(リサイクル))」。この3Rのうち、セミナーでは「リユース」をキーワードに、最新情報や市町村の取組事例が紹介されました。また、体験コーナーや展示コーナーを設け、楽しみながら3Rについて66人の参加者と一緒に考えました。


開催内容紹介

記念講演 「びんリユースの現状〜環境省の取組を中心に〜」
環境省廃棄物・リサイクル対策部 リサイクル推進室 室長補佐 大竹 敦氏

 リユースは循環型社会形成推進基本法の中で、循環型社会形成を目指す取組として位置づけられている。その取組として、一番目にリデュース(発生抑制)、二番目がリユース(再使用)、三番目にリサイクル(再生利用)と位置付けられた。また、その取組を推進するために、第三次循環型社会形成推進基本計画が2013年5月31日に閣議決定された。
 びんリユースシステムには、オープンシステムとクローズシステムがある。こういったシステムを構築する施策の推進により全国的にびんリユースの取組を広げていきたい。びんリユースは、廃棄物の発生抑制、天然資源の消費の抑制、CO2排出削減の面から、環境負荷低減への効果がある。高い回収率を実現した場合、他のワンウェイの容器より、環境負荷低減の観点で優位となるといった報告もある。さらには、びんを返す、雑に扱うと割れるということを体感することで「もの」を大事にするといった、環境教育への効果もある。多様な飲料容器を選ぶのはもちろん消費者の方だが、選択する際には、こういった環境負荷低減効果なども念頭においていただければとも思う。
 リユースびんの使用量の現状は、20年前と比べ7分の1、10年前と比べても2分の1という状況となっている。今年の6月に、エコライフフェアというイベントの中で、リユースに関するパネル展示や動画の放映を行い、来場者にリユースびん入り飲料を実際に試飲していただいたうえで、びんリユースに関する認知状況等を把握するアンケートを実施した。その結果、リユースびんの認知度は75%であったが、実際にびんリユースに取り組んでいると答えた方は30%と少なかった。その理由として、びんの購入機会の減少や回収場所を知らないという回答が多く、びんのリユースに必要な情報を、さらに提供していく必要性を感じた。
 環境省でのびんリユースの取組としては、びんリユースシステムの構築等を検討する「我が国におけるびんリユースシステムの在り方に関する検討会」、地域でのリユースシステムを実証するための「びんリユースシステム構築に向けた実証事業」、学校給食における牛乳びんの導入を支援するための「学校給食における牛乳びんの利用実態調査」を行っている。 その他に、グリーン購入法のなかで、国等の会議の場で、飲料等が提供される場合には、なるべくリユース容器を使用するといった内容の配慮事項が今年の2月に閣議決定されたところである。
 びんのリユースを取り巻く状況は厳しいものであるが、エコライフフェアの中で実施したアンケートでは、「びんリユースに興味を持った」、「びんリユースに協力したい」という前向きな回答が9割もあった。びんの良さや環境に優しいリユースの良さをもっと知ってもらうことにより、びんのリユース率を上げるという潜在力が、この結果にはあるとも感じている。リユースを含む環境保全の活動というものは、一人一人の行動が大事。その積み重ねが大きな力となって環境の保全につながるものだと思う。リユースの輪はどの主体が欠けても成立しない。様々な主体が協力・連携したうえで一つの輪になって達成できる取組である。本日このセミナーに出席されている皆様とも一緒に、びんリユースの取組を盛り上げていければと思う。

基調講演 「がんばってるぞ、大阪のリユース」
大阪産業大学 人間環境学部 花嶋 温子氏

 一般廃棄物のリサイクル率は都道府県別で全国最下位およそ12%だった大阪府。例年ワースト三冠王(リサイクル率全国最低、一人当たりの一日に出すごみの排出量全国最大、最終処分量全国最大)だったが、どうにか2012年度はそこから脱出できた。そんな大阪が、リユースではユニークにがんばっている。

○がんばってるぞ、大阪のびん
 大阪府は学校給食用牛乳びんの導入率が83.0%と高い。また、2014年には大阪びんリユース推進協議会が販売する大阪リユースびん入り飲料「茶々」の販売を開始。製造元の能勢酒造株式会社は多くのリターナブルびん入り商品を製造販売している。

○がんばってるぞ、大阪発祥のレンタル大手
 実は、一般向けレンタルの大手には大阪発祥企業が複数ある。

○がんばってるぞ、大阪の自転車レンタル業
 その他にも、大阪市でのマタニティウェアやベビー服、子供服の回収と提供、鉄道忘れ物市の繁盛、太陽光発電の蓄電に電気自動車のバッテリーの再使用をするなど取組がある。

 合理的なことが大好きで、財布の紐が固く、発想がとてもユニークそんな大阪人にはリユースが向いているのではと花嶋氏。大阪での更なるリユースの取組が期待される。
 また、実行委員長として、3R低炭素社会検定の実施。(来年1月で7回目の実施)
 西村氏や大阪びんリユース推進協議会と協力して実施中の「大阪府内自治体における審議会の飲み物容器アンケート」について報告がされた。

自治体活動報告 「八尾市の資源循環への取り組みについて」
八尾市長 田中 誠太氏

 八尾市が環境先進都市を目指す中で、5種分別を始めたのは1996年。2009年にはスプレー缶、PETボトル、容器包装プラスチックの3種の分別を増やし、8種分別に移行。同年にリサイクルセンターを建て替え、稼働したのが2009年4月だった。5種分別から8種分別に移行するために、経済環境部の職員160人で3カ月にわたって、350ヶ所の地域で説明会を開催し対応した。8種分別になったことで、PETボトルと容器包装プラスチックの排出量の多さについて市民の皆様の気付きもあり、質の良い容器包装プラスチックが年間1600トン集められるようになった。また、回収スプレー缶を分けたことで、パッカー車内での爆発事故が激減。職員も安心して乗車出来るようになり、再資源化も適正に行われるようになった。
 また、八尾市では環境フェスティバルの開催やリサイクルセンターの見学コースの設置、将来を含めた環境への支出の減少を目的とした大阪市、松原市、八尾市3市での大阪市内にある焼却工場の6工場体制を一部事務組合で運営などを行うとともに、身近な地域のまちづくりとして、八尾市内の小学校区ごとに28のまちづくり協議会を設置した。今後も市民の理解を得て、ともに地域の環境を考えていくことで、きれいなまちづくりを進めていく。

自治体活動報告 「交野市環境マネジメントシステム(LAS-E)について」
交野市 みどり環境課 川口 晶子氏

 交野市環境マネジメントシステムは「環境自治体会議 環境自治体研究所」が開発した、「環境自治体スタンダード(Local Authority's Standard in Environment通称:LAS-E ラスイー)」の規格に沿ったもので、2007年6月1日から運用を開始。LAS-Eは「環境にやさしい市役所」としてふさわしいかどうかをチェックするための基準である。特徴として、目標設定や監査に市民の方が参加することが挙げられる。環境に配慮した自治体であるか、望ましい環境状態であるか、環境に関する問題や課題が解決されているかという、基準を定めて運用しているのが交野市の環境マネジメントシステムになる。全国では10の自治体が運用中である。
 LAS-Eの特徴として、@共通実施項目(エコアクション、エコマネジメント、エコガバナンス計30項目)が設定されているA独自に応じてレベルアップが可能(段階的に取組めるように5つのステージが設定されている)B市民参画や協働型システム 今後も望ましい環境状態になるために、PDCAサイクルを繰り返すことで本市が「環境にやさしい・かたの」と呼ばれるように市民の協力を得ながら積極的に運用を進めていく。

体験コーナー、展示コーナー

<体験コーナー>
  • 「学校での2R教育」 泉大津市小学校教諭 植田善太郎氏
  • 「とことん布活用術」 中村恵子氏
  • 「おうちで日本茶」 お茶プレッソ試飲
  • 「はぎれでミニシール」 日報ビジネス(株)
<展示コーナー>
  • リユースびん飲料「茶々」など3R推進チームの活動

主催代表より

セミナーを終えて、主催代表の西村氏からコメントをいただきました。

大阪府地球温暖化防止活動推進員3R推進チーム 代表
Rびんプロジェクト 代表 西村 優子氏

西村 優子氏

 「3R推進チームは、3Rを推進していくことで温暖化防止に寄与することを目指し、2012年4月に発足し、教科書調査、大阪府内市町村アンケートと訪問、びんリユースの推進と開発という三つの柱で活動して参りました。
 発足以来、充実した内容で活動できているのは、大阪府地球温暖化防止活動推進センターのサポートがあったことが大きいです。その連携の仕組みが、今日のセミナーを含め一団体で出来ないような私たちの成果に繋がっていると実感しています。
 また、本日の共催団体であります「Rびんプロジェクト」は、1999年5月発足からリユースびんの普及促進にあたって、毎年開催しているRびん大会を、今年は本セミナーに代えて、持っているノウハウやネットワークを提供いたしました。今日のセミナーはこの連携の成果でもあります。団体同士であっても個人と個人であっても、違った者が一緒に何かをするには大変な労力と時間の積み重ねが必要ですが、その煩わしさを越えて連携するパワーは計り知れないものがあると感じました。そのパワーをもって今日は素晴らしい講師の方々に来ていただくことが出来ました。
 今日はお越しいただいた皆様に、何か一つを得てお帰りいただきたいというのも勿論ですが、是非今日は誰かと連携しよう、誰かと繋がろうという気持ちでご参加頂きたいと思います。それが私たちの力になることは言うまでもありませんが、皆様一人一人の日々の生活、未来の幸せに繋がると信じています」