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活動報告

外食店舗でのびん廃棄物削減の取り組み
<ワタミエコロジー株式会社>

エコ・ファースト企業のびん廃棄量削減への取り組み

 大手居酒屋チェーン“居食屋 和民”などを展開するワタミグループ。全国に649店舗の飲食店を展開する同社グループで、びんの全量リサイクル・リユースが本格始動しました。
 ワタミ(株)の100%子会社であるワタミエコロジー(株)は、2012年3月20日(火)より、ワタミグループ外食346店舗にて、配送便を利用したびん回収と全量リサイクル・リユースを開始。現在、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、茨城県の一部を除く店舗にて展開しています。
 環境省のエコ・ファースト制度で、環境保全活動に貢献する外食産業のトップランナー企業として認定されている同社。環境負荷低減に向けて、早い段階から取り組んでおり、リユースについても、2009年度の環境省実証事業で、プライベートブランドの日本酒(300ml)のリユースシステムを構築しました。実証事業では、限られた商品を限られた範囲で流通させていましたが、今回は、そのリユースシステムを活用して、物流会社による飲料配送の帰り便を利用し、一括回収することで、全種類のびんの回収、全量リサイクル・リユース化を実現しました。

廃棄・リサイクルから全量リサイクル・リユースへ

オリコンに詰められたびん
オリコンに詰められたびん


リサイクル・リユースの流れ

 店舗では、P箱で回収されているリターナブルびん以外の、びん全量の回収にオリジナルコンテナ(オリコン)を使用しています。この中に隙間なく重ねて詰め込むことで、びんがきれいな状態のまま、配送することができます。
 コンテナは、そのままびん商に運ばれ、リユース対象となるびん(Rびん)は、選別され、洗びん、検査等の工程を経てリユースされています。また、リユース対象ではないその他のびんは、カレット化し、リサイクルルートにまわされています。

 こうした、「廃棄・リサイクル」から「全量リサイクル・リユース」への移行により、月間74トンの廃棄物削減を見込んでいます。 今後は、300mlや720mlなどのびんも、Rびんを使用し、100%リユースする予定とのこと。Rびんの採用率が高まるよう、社内調整を進めています。


東北や関西など、できるところから少しずつ広げていきたい

大嶋氏、小出氏
大嶋氏[左] 小出氏[右]

 現在、ワタミグループでは、ワタミ手づくりマーチャンダイジング(株)、(有)ワタミファーム、ワタミエコロジー(株)の3社を、1人の「管掌取締役」が監督しています。そのおかげで、“ワタミという枠組みの仲間”として「会社間のコミュニケーションがとりやすくなった」と大嶋氏。この状況を活かして、まずは、2012年度中に、福島、新潟以北の東北エリアへの拡大を予定しています。また、次年度以降は、北海道地区や関西地区への展開も予定しており、全国展開に向けて、意欲を燃やしています。
 Rびんを使用している品種はまだまだ少ないですが、「“リサイクルよりも、まずはリユース”という意識を持っているので、リユース推進のための社会の仕組みを、まわりの皆さんと一緒になって構築していきたい」と小出氏。そこには、未だリサイクルが優先される流れの中、一企業グループとして少しでもリユースシステムの普及に貢献したいという気持ちが表れていました。